超高濃度ビタミンC点滴療法とは?
超高濃度とはどのような意味合いなのでしょう?
通常の我々の体内には食事で摂取したビタミンCが存在しますが、その濃度はわずかに0.6-1.7mg/dLです。経口摂取で得られるビタミンCの血中濃度はそれほど高くありません。実験では0.2gのビタミンCを経口摂取したあとの血中濃度は1.2mg/dLでしたが、その6倍である1.2gを経口摂取してもその血中濃度はわずかに1.5mg/dLまでしか上昇しなかったという報告があります。つまりは経口でビタミンCを摂取しても血中濃度の上昇はわずかであるということです。
一般に抗ウイルス作用を期待できるビタミンCの血中濃度は10-15mg/dL、ヒスタミン作用を発揮する血中濃度は88mg/dL程度といわれています。しかし、抗がん剤としてビタミンCを考える場合は、300mg/dL以上の血中濃度が必要であると考えられています。
ビタミンCの濃度を変化させた培地で膵臓癌、大腸癌、悪性黒色腫、骨肉腫などの悪性細胞を培養した実験がありますが、350から400mg/dL以上の濃度とした培地内では癌細胞は生存できないことがわかっています。
つまり、癌細胞にとって毒性を発揮するほどの大量の高濃度ビタミンCを投与することでビタミンCが抗がん剤として働くことができるということなのです。
血中濃度が350-400mg/dLとなるようなビタミンCの量を投与するには静脈投与、つまり点滴で摂取するしかありません。通常受ける点滴に混入するようなビタミンCの量は0.5gから多くて2gです。しかし、超高濃度ビタミンC点滴という治療で使用されるビタミンCは1回に50gから75gほどで、しかも短時間に点滴投与いたします。
それほどの大量のビタミンCを点滴を投与しても人体の正常組織は大丈夫かと思われるかもしれません。これに関しては高濃度ビタミンC点滴療法の草分けであるリオルダン博士らが論文で安全性を発表しています。
【文献】
Casciari, Riordan et al, Br J Cancer 84:1544、2001
Riordan, Hunninghake et al, Health Science J 22:287、2003
Gonzalez et al, Integr Cancer Ther 4 : 32, 2005
Chen, Levine et al, Proc Natl Acad Sci 102 : 13604, 2005